糸谷哲郎に学ぶ歩の使い方
将棋は歩に始まり歩に終わる、という。 渡辺vs糸谷の初対戦となった有名な2010年のNHK杯の対局から、歩の使い方について学ぼう。 75手が終わったところ。これ、先手の6四歩打の場面。後手はどこを攻めるのがいいだろうか? 歩しかないんだが? 本譜は6七歩打。これAIも最善手って言ってるんだよね。これ素人には歩のタダ捨てに見える。渡辺竜王はこれに同飛と取ってしまった。これが敗着になったのだが、なぜだろうか? 次の手はなんだったのだろうか? 6五歩打。ああ、これは厳しい、というのがようやくわかってきた。6七に飛車が上がってしまったので、金はどうしても取られてしまう。しかも、相手に手番が渡る。このあと5五金、同銀直、同銀、同銀、同角と続く。 84手目6六銀打。飛車角両取りとなってしまった。ここ、後手は手番を持っていて、盤面はこの通りなんだよね。糸谷さんは76手目の6七歩打のときにこの盤面を読んでいたということなんだよな。歩二枚75手目の局面で、歩二枚使うだけでこの盤面を作り出せるの、これがすごい。 ちなみに、77手目のところで金を引いておけばなんでもなかった。でも75手目で6四歩打としているから、これを生かした攻めをしたかったんだろう。 ちなみに、75手目で6四歩打ではなく、5五歩とあがっておくのが最善手だった。これだと金の逃げ道があるので、6七歩打を飛車で取っても問題なかった。 受けにも攻めにも歩の使い方次第でこんなに違うというのがよくわかる対局だ。 開始日時:2010/02/01 9:00:00 棋戦:NHK杯 場所:NHK放送センター 持ち時間:15分+30秒+10回 手合割:平手 先手:渡辺明 後手:糸谷哲郎 戦型:角換わり 手数----指手---------消費時間-- 1 7六歩(77) (00:00/00:00:00) 2 3四歩(33) (00:00/00:00:00) 3 2六歩(27) (00:00/00:00:00) 4 3二金(41) (00:00/00:00:00) 5 7八金(69) (00:00/00:00:00) 6 8四歩(83) (00:00/00:00:00) 7 2五歩(26) (00:00/00:00:00) 8 8八角成(22) (00:00/00:00:00) 9 同 銀(79) (00:00/00:00:00) 1...